日本のビジネスは日々発展を遂げ世界に飛び出すまでに至りました。
グローバル化が加速し、日本の企業は海外のいくつも拠点を置くようになりました。
その理由は、世界市場への活躍の幅を広げたり、コスト削減の面から海外に向上を置き、現地の従業員雇用を積極的に行ったりするなど目的は多岐に渡ります。
日本にとどまらず、海外の顧客や企業を巻き込んだプロジェクトが増え、それに伴うマネジメント手法は求められるようになりました。
今回は、グローバルプロジェクトを行う際のマネジメントについて大切なことを紹介していきます。
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グローバルプロジェクトとは
グローバルプロジェクトとは、その言葉通りに「世界規模で目標(成果)に向かって進行する計画」です。商品開発やシステム開発など様々な分野において、日本を飛び出して世界規模でプロジェクトを進行します。
グローバルプロジェクトが積極的に推進されている理由の一つに、人材不足が挙げられます。特にIT業界において、優秀な技術を持ったエンジニアの不足は問題となっており、これを解決するために行われているグローバルプロジェクトの一つがオフショア開発です。
オフショア開発は、開発の一部を外国企業や個人エンジニアに委託する開発方法です。
オフショア開発は、足りない技術力や人手、コストの削減を目的に活用されており、グローバルプロジェクトが推進される理由です。
国内プロジェクトとの違い
グローバルプロジェクトが日本国内のプロジェクトと違うのは、言語や文化の違いがあるということとプロジェクト進行の仕方が違うという点などがあります。
【言語と文化の違い】
国によって使用される言語は違いますし、文化の違いもあります。
日本では、当たり前だと思っていたことが、外国では珍しいこと。また、その逆もあり得ます。プロジェクトを進行していく上で、この障害は大きく、お互いをよく理解していないと業務の進捗の遅れやトラブルに発展する可能性があるため、すり合わせが必要になります。
解決策の一つとして、日本の企業と外国の企業・エンジニアとの間に立ち、プロジェクトのサポートを行うブリッジSEを活用することが挙げられます。
【意見の不一致による姿勢】
問題を解決するためには、オープンで対立を厭わない直接的な姿勢が大事だと思うか、和を重視して対立を回避する間接的な姿勢が望ましいと思うか、という対立の姿勢も違ってきます。
対立の姿勢は欧米で違いがあり、ヨーロッパ大陸諸国は対立が問題解決の足かせになるとは考えていません。意外にもアメリカはヨーロッパの大陸諸国ほど直接的ではないのです。アメリカ人にとってヨーロッパ大陸の人は直線的な物言いで、非常にきつく感じるそうです。
一方、日本はやや複雑で、対立が人間関係に悪影響を及ぼすことを心配するので、可能な限り対立を回避する努力をします。ところが、上の人間は下の人間に対して、対立してもいいという傾向にあります。この二面性に外国人は戸惑いを覚えています。
「日本人のYesはYesではないようだ」、「日本人はNoと言わない」という外国人の困惑は、対立を回避しようとする日本人の姿勢から来ています。日本人からすると相手を敬ってのことで、好意に基づくものなのですが、皮肉なことにそれが相手を困らせる結果に繋がってしまいます。外国人に対してはYes/Noをはっきりと言う心掛けが必要になります。
【時間の価値】
ヨーロッパやアメリカでは時間はとても貴重なものなので効率的に活用しようという考えがあり、インドや中東諸国では時間は十分にあるから気にしないという考え方があります。
これに対して日本はというと、工場などの現場では時間を効率的に活用する流れがありますが、会社経営やプロジェクト進行の意思決定を行うことに対しては時間を十分にかけることにも抵抗がありません。
このように日本人は、外国の方の時間の価値の違いによって、納期の遅れに悩まされることが多い傾向にあります。各国の時間価値に合わせたスケジュール、納期の設定が重要になります。
【プロジェクトの進行について】
プロジェクトの達成(目標や成果物)までの進捗管理やトラブルの対応などを行うことをマネジメントと言います。このマネジメントの方法を今までのように行っている場合通用しません。日本流のマネジメントが通用しない理由は、距離にあります。
グローバルプロジェクトを進行する際、一か所にプロジェクトメンバーが集まることはあまり多くありません。ほとんどが、それぞれの国、会社で作業を行います。
そのため、プロジェクト全体の進捗状況の確認が難しかったり、目標の意思統一が難しいことが挙げられます。
これを解決するためには、プロジェクトごとにマネジメント手法を変えていく必要があります。どの国の企業と提携するのかで、手法は変わっていくため、臨機応変に対応していくことが求められます。
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グローバルプロジェクトで大事な条件
①異文化理解
グローバルプロジェクトを成功させるための大事な条件の一つは、「異文化理解」です。
国によって働き方は様々で、業務時間や開発の仕方なども変わってきます。
例えば依頼先が日本であった場合に、日本流のやり方を押し付けることは、生産性の低下や無用なトラブルの原因となってしまうことを考慮しておきましょう。
文化の違いを理解するための一つの手段として、コミュニケーションを図ることをおすすめします。まず、前提として世界で最も多く使用される英語を身に着けておき、その上で、積極的に会話を試みましょう。
日本人の特徴として、饒舌なことは敬遠されがちです。しかし、言葉が少ないと相手へ伝えるべきことも伝えきれずに終わってしまいます。
少しでも双方の理解を深めるためには、多くを語ることも必要になります。
相手を知ることでその人の国の文化を知ることが出来、その人がどういった働き方をしているのかも理解できます。
これから先、グローバルな社会で生きていくには、こういった積極的な世界進出は非常に有益です。
②プロジェクトマネージャー
プロジェクトを進行する上で、進捗の管理・改善を行い、目標達成をするために存在するのがプロジェクトマネージャーです。
日本国内のプロジェクトでは、プロジェクトマネージャーは1プロジェクトにつき1人が一般的ですが、グローバルプロジェクトにおいて複数の国に業務委託・連携する場合は、各国に(プロジェクト)マネージャーを配置します。そして各国の(プロジェクト)マネージャーの上に日本のプロジェクトマネージャーが配置され、進捗管理を行います。
これにより、各国に文化の違いを考慮した組織編成となり、円滑なプロジェクト進行を行うことが可能になります。
③グローバルプロジェクト管理の強化
グローバルプロジェクトを進めていく流れは国内プロジェクトと同じようにはいきません。
グローバルプロジェクトの強化項目は以下になります。
【スケジュール管理】
プロジェクト進行においてスケジュール管理は非常に重要です。一般的に成果物の納品日は決定事項なので、そこから逆算してスケジュールを立てていきます。
ここで忘れてはいけないのが、時間の感覚が国によって違うことです。国によって就業規則は違っており、就業時間も異なります。日本のスケジュール感で設定してしまうと、スケジュール通りにプロジェクトが進まず、最終的に大幅な納期の遅れに繋がります。
【コミュニケーション】
上記で挙げましたが、設定したスケジュールや目標を正確に伝えるためには、コミュニケーション能力は必要不可欠です。確実に委託先に理解してもらい、感覚のずれを補正していきましょう。
【品質管理】
成果物の品質の基準も国によって大きく異なります。最低限許容できる基準を決めて置き、相手に伝えておかないと余計な納期の遅れやコストの上昇に繋がります。
グローバルプロジェクトを成功させるための鍵ともいえる要素です。
外国人から見た日本人とは
外国人と上手に仕事を行っていくためには、相手が我々をどのように思っているかを知る必要があります。日本人の印象はどのようなものがあるでしょう。
・日本人のYesは必ずしもYesとは限らない。
・日本人はNoと言わないため、嫌な時ははっきりNoと言ってほしい。
・リアクションが薄く、特に会議での意見や主張が少ないため仕事をしづらい。
・優先順位よりも細部にこだわる。
・意思決定に時間がかかる。
・変化を嫌うため、計画が意味のないものになっても変更しないといったことがある。
・責任の所在があいまい。
・長時間労働が当たり前。
こういった意見があります。日本人特有のこだわりや性格がよく表れているのが分かります。これを踏まえ、どのようにプロジェクトに活かしていくのかを考えましょう。
外国人から見た日本人の良いところ
次に、日本時の良いところをみていきましょう。
・約束を守るため、信頼できる。
・基本的に親切で協力的である。
・礼儀正しく、ビジネスマナーをよく理解している。
・チーム一丸となって業務にあたる。
・労働倫理をよく考慮している。
・完璧主義。
・ストイックな労働を行う。
・忍耐強い。
日本人の良いところは、型にはめると素晴らしい威力を発揮するところでしょうか。
チームワークの良さが魅力でしょう。
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まとめ
以上、グローバルプロジェクトとは何か、必要条件について解説しました。
新型コロナウイルス感染症の影響によって働き方が見直されている現在の日本では、グローバル化についても見直しが進められています。
急速なIT分野の成長に伴い、グローバルプロジェクトはより積極的に行われていくことが予想されます。ぜひ、グローバルプロジェクトに対しての理解を深め、ビジネスに活用してください。
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