フィリピンオフショア開発をまとめてみた!単価・魅力・課題などを紹介

目次

  1. システム開発の手法
    1. ウォーターフォール・モデル
    2. プロトタイプ・モデル
    3. アジャイル開発手法
    4. スパイラル・モデル
  2. フィリピンオフショア開発の現状
    1. フィリピンオフショア開発ポイント
    2. フィリピン国民の特徴
    3. フィリピンのITエンジニア特徴
    4. フィリピン基本データ
    5. フィリピンオフショア開発データ
  3. フィリピンオフショア開発の魅力を3つ紹介
    1. 高い英語力
    2. 人件費が安い
    3. 意欲的な若者世代が多い
  4. フィリピンオフショア開発の課題
  5. まとめ

日本国内のIT人材不足が問題となってから、積極的に行われてきたのが、海外に開発を委託するオフショア開発。
フィリピンでは、若い世代のエンジニアが多く、物価も安いため人気のオフショア開発先となっています。
今回は、フィリピンにおけるオフショア開発の現状やデータ、今後の課題を紹介します。

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システム開発の手法

システムの開発

オフショア開発は、システムやアプリ、ソフトウェア開発を海外企業等に委託するものですが、その中のシステム開発には代表的な手法が4つ存在します。それぞれみていきましょう。

ウォーターフォール・モデル

数ある工程を順番に対応していき、計画性を持ったプロジェクト進行法がウォーターフォール・モデルです。
要件定義から始まり、内部設計・外部設計・コーディング・テスト・運用までが水が流れるがごとく進行します。

一般的に取り入れられやすい手法であり、作成したいシステムの透明化が特徴です。
デメリットとして、開発工程を前に戻すのが難しい点が挙げられます。

プロトタイプ・モデル

ウォーターフォール・モデルのデメリットである開発工程を戻せない点を改良したのがプロトタイプ・モデルです。
プロジェクトの途中に試作品を開発することで、成果物として依頼者の要望に沿っているかを確認しながら進行します。

試作品としてシステムの機能を重視したものやデザイン性を考慮したものが開発される傾向です。発注者とシステムの仕様を何度も確認することで、手戻りが起こりにくいメリットがあります。
デメリットとして、試作品に機能を追加しながら開発を行うため、柔軟性や適合性の低いシステムを制作してしまうリスクがることとプロトタイプの開発に時間がかかる大規模開発には不向きなことがあります。

アジャイル開発手法

発注者と開発者がコミュニケーションを綿密に取りながらシステム開発を進めていくのがアジャイル開発です。開発システムを細かく分け、機能ごとに繰り返し開発していきます。
発注者は、開発途中のシステムを試すことが出来、問題点や改善点を見つけることが出来るメリットがあります。優先度の高いところから開発することで、発注者が求めるシステムを効率的に提供できます。

デメリットとして、計画を立てるのが難しく、プロジェクトの途中でトラブルがあった場合に的確な対処がし難いというリスクがあります。

スパイラル・モデル

スパイラル・モデルは、ウォーターフォール・モデルとアジャイル開発の良いところを組み合わせた開発手法です。システム設計とプロトタイピングを繰り返して完成を目指します。

開発工程を繰り返すことで仕様変更に対応でき、スケジュールを予測することで進捗管理しやすいのがメリットです。また、開発ツールを活かすことでプロジェクトの手戻りを少なくもできます。

オフショア開発を成功させるためには

オフショア開発を行っていく上で、失敗を避けるために行っておくことをおすすめするのが現地視察です。

基本的に発注者は、日本からブリッジSEを通じて開発委託を行うことが多いですが、開発指示をする上で、現地の開発現場を実際に見て感じることでスケジュール管理やプロジェクトの計画が立てやすいです。成功の鍵とも夏とても重要なポイントになります。

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フィリピンオフショア開発の現状

フィリピンはアジアの国々の中でも、若い世代の比率が高く、英語力も高い国です。外貨を稼ぐことが出来るIT産業はフィリピンではとても人気があり、多くの若者が海外大手企業に進出を果たしています。

また、オフショア開発でとても重要な時間についてもフィリピンと日本の時差は1時間程度しかなく、距離も5時間程度の位置にあるため、業務時間が異なっていたり、視察やミーティングのために訪れやすいというメリットがあります。

【フィリピンオフショア開発ポイント】

フィリピンでの開発

フィリピンオフショア開発がおすすめのポイントは、

1. 高い英語力とコミュニケーション能力です。アメリカやインドに次いで英語を話す人口が多いため、英語のみでの交渉が可能です。
2. フィリピン人は勤勉で優しく、親しみやすい性格のため日本人ともフレンドリーに接してくれます。信頼関係が生まれやすくなります。
3. 日本から約5時間の距離で時差は1時間程度、英語が主流のためアジアから世界へシェア展開をする上で整った環境を構築することが可能です。
4. 平均年齢20代の若年層が多い国であるため、今後の経済成長が期待できます。また、若いエンジニアを雇い、育成していくことで主要戦力のエンジニアに成長させることができます。
5. フィリピンの経済成長率は6%以上であり、ASEAN主要国でもトップクラス。世界中から注目を集めています。
6. フィリピンでは、IT産業はとても人気の高い分野です。そのため、IT・技術系の大学が多く設立されており、大学卒業後は実務経験を積んでスキルアップを目指します。

【フィリピン国民の特徴】

観光や留学先で人気のフィリピンは、日系企業の進出によりコンビニや飲食店など、日本のモノが多く普及しています。その国民性はおおらかでフレンドリー。
何よりも家族を大切にし、年中を通して家族関係のイベントが多くあります。企業も社員を家族のように大切にし、バーベキューや誕生日会など社内イベントを設けているところが多いです。

【フィリピンのITエンジニア特徴】

フィリピンのITエンジニアは、人当たりがとてもよく付き合いやすい性格です。
そのため、チームでの開発でも自分の役割を無難にこなすことが期待でき、チームとしての能力が向上します。
プロジェクトマネージャーからしても、チームの環を乱さず大切にするエンジニアはとてもありがたいことでしょう。

また、フィリピンエンジニアの魅力の一つである高い英語力は、ビジネスにおいてネットサービスで活かすことが出来るでしょう。高い英語力を活かした世界に通用する開発を行っていくことが出来るため、優秀なエンジニアの確保と育成が重要になります。

平均単価、人材供給量、人気の開発言語や案件

続いてフィリピンの基本データとオフショア開発データを見ていきましょう。

【フィリピン基本データ】

国名:フィリピン共和国
総人口:約9000万人
通貨:ペソ
為替レート:約0.44円
GDP:2248億ドル(2011年)
言語:公用語はフィリピン語(フィリピノ語)と英語他にも80前後の言語がある
法人所得税:30%
携帯普及率:73%(2011年)
インターネット普及率:42.1(2012年)
検索エンジンシェア:1位Google 2位Yahoo! 3位Bing
SNSシェア:1位Facebook 2位Twitter 3位Multiply

【フィリピンオフショア開発データ】

オフショア開発メリット:
・英語での対応可能
・中国やベトナムに比べ単価が安い
・HTMLコーディングやコールセンター等のジャンルにおいてパフォーマンスが高い
・大学進学率が東南アジアの中では比較的高い

オフショア開発デメリット:
・大型案件や複雑な案件実績が乏しい
・欧米でのオフショア開発手法が日本の開発手法と相違ある

ITエンジニアの特徴:
・フレンドリーで親和性が高い
・日本語能力より英語力の方が高い
月当たりの人件費:約21万円

【フィリピンオフショア開発成功事例】

フィリピンに拠点を持つ企業にオフショア開発を依頼したE社。内容は既存の日本語版サイトを翻訳した英語版サイトの制作でした。

当初はオフショアに不安がありましたが、現地に日本人マネージャーが駐在している点や高い英語力による高品質なサイトの仕上がりに非常に満足しているそうです。

フィリピンオフショア開発の魅力を3つ紹介

フィリピンでのオフショア開発

1.高い英語力

フィリピンは国全体特にエンジニアの英語が非常に高く、海外の大手企業にたくさん進出しています。そのため、グローバルスタンダードな開発環境を意識するのが一般的になっていて世界に通用するシステム開発を検討している場合、フィリピンオフショア開発はとても魅力的な国であるといえるでしょう。

また、フィリピン人は陽気で明るい性格であることからコミュニケーション能力が高く、ブリッジSEやプロジェクトマネージャーがエンジニアとの信頼関係を構築する上で大きなメリットとなるでしょう。普段から積極的にコミュニケーションを取り、仲間意識を強めておくことで開発効率がアップするでしょう。

2.人件費が安い

フィリピンでオフショア開発を行う場合、エンジニア一人の月給は約6万円ととても安価です。そのため、優秀なエンジニアをまとめて雇用することが出来るといったメリットがあります。チーム単位で期間契約(ラボ型開発)を行えば、人件費を抑えつつ、優秀なエンジニアを継続的に確保しておくことが可能です。

3.意欲的な若者世代が多い

フィリピンには若い世代が多く、日々発展を遂げているIT産業に対しても意欲的な人材が多い傾向にあります。そのため即戦力となる人材確保・将来的に有望な人材確保を行い、長期的に雇用するラボ型開発で専属のプロジェクトチームを編成することで、各企業のスタイルに特化したエンジニアを育成・確保することが可能になります。上手くいくと非常に強力な開発チームを保有することが出来るでしょう。

フィリピンオフショア開発の課題

アジア周辺国と比べてもフィリピンのエンジニアは単価が安いことからとても人気のあるオフショア開発先の1つです。

しかし、オフショア開発の歴史は中国などと比べても浅く、対応できる案件の幅が限られていることから大型案件の委託は難しいです。コーディングやアプリ開発、BPO業務といった案件には向いているように、上流過程よりは下流過程(開発やテスト)をメインとした委託が増えていくことと予測されます。

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まとめ

開発の苦労

以上、フィリピンにおけるオフショア開発について紹介しました。

フィリピンオフショア開発はとても人気が高い国の1つであり、高い英語力によるグローバルな開発が特徴的です。英語での会話に問題がなければ、積極的に活用していくことをおすすめします。


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