翻訳ツールを最大限活用し、円滑なコミュニケーションを実現【株式会社ObotAI 岡野 真也 氏】

岡野 真也 氏|株式会社ObotAI 取締役CTO、株式会社オープンコレクター 取締役

北見工業大学卒業後、Webシステム開発を主業務とする会社を数社経て、株式会社オープンコレクターに入社。
その後、システム開発案件をきっかけとして株式会社ObotAIにも取締役CTOとして入社。
Pythonプログラミング言語と、Djangoフレームワークを利用したシステム開発を多数経験。
ObotAIでは外国人エンジニアが半数のチームを率いて、「多言語」をテーマとした製品開発を行っている。

はじめに、現在のお仕事について教えてください!

弊社は株式会社ObotAIと申しまして、主に多言語に応答できるチャットボット「ObotAI」の開発をしています。チャットボットとは、人工知能を用いてWebサイト上で自動的に会話を行うプログラムのことで、弊社は多言語に対応した最先端のチャットボットを開発しました。その他にも、システムの受託開発や運用を行っています。

多言語翻訳サービスを作るために、メンバーの半分は外国籍

エンジニアとしてIT業界に入ったキッカケを教えてください!

元々、学生の頃から自身の専攻が情報システムで、ITに興味がありましたので、新卒でもエンジニアとしてIT業界に入りました。弊社に入る前も別会社で受託開発などに携わり、ずっとエンジニアとして仕事をしています。

御社は外国籍の方が多いと伺いましたが、その理由も含めて詳しく伺いたいです!

外国籍の割合は半分ぐらいです。なので、日本語だけではなく英語でコミュニケーションをとるメンバーもいます。元々、弊社自体がサイパン島が拠点だったことや、多言語翻訳のサービスを作りたかったこともあって外国籍のメンバーが多いです。

育ってきた環境の違いは思わぬところで現れる!?

外国籍エンジニアのマネジメントで大切にしていることはありますか?

前提として、弊社はオフショア開発ではなく、外国籍のエンジニアは自社のメンバーです。なので、キャリアプランを一緒に考えながら、スキルアップできるタスクを振ることを意識しています。外国籍のメンバーには日本で仕事をすることに慣れてもらうために、最初は仕事の難易度を低くして説明も噛み砕きますが、段々仕事の難易度を上げて説明も日本人エンジニアに話すのと段々近くするなど、その順番は意識していますね。

外国籍エンジニアと仕事をし始めた当初、どのような苦労をしましたか?

3-4年前の話になりますが、最初は弊社の事業に外部の人間として携わっていたので、既に採用されてきたメンバーと仕事をすることになりました。しかし、そこでアサインされた外国籍のメンバーがスキル的に未熟だったため、彼ら彼女らを訓練するところから始まり、資料を見ながら教えていました。私は英語が流暢ではなかったので言語の壁はどうしてもあって、日本語では伝わらず、簡単な英語でしかコミュニケーションが取れない時は苦労しました。

言語の壁に対して、何か工夫などされましたか?

私は英語を話すのは苦手ですが、テキストを書くのであればある程度できます。なるべく齟齬がないように翻訳ツールなども活用しつつ英語のテキストでコミュニケーションをとるようにしました。

また、日本語で依頼をする場合は、彼ら彼女らがGoogle翻訳などの翻訳ツールを使ったときに、綺麗に変換できるような日本語を使うことを意識しています。

言語以外にも、文化や価値観の違いで苦労したことはありましたか?

現在、弊社は中国から2名、韓国・バングラデシュから各1名ずついまして、育ってきた環境の違いが仕事で顕著に現れたことがありました。先日、学生向けeラーニングのシステムを開発していた時、教育のコンテンツ分けで「社会」の教科を歴史・地理・公民に分けたのですが、それが外国籍のメンバーには違和感があったようで、本国では社会は社会で、歴史・地理・公民と分けたりしないと言われました。他にも、国語の縦書きや字下げ、禁則処理なども理解が難しかったようです。育ってきた環境が違うので分からなくて当然ですが、日本人なら感覚で分かるそういった部分を一から教えるのは苦労しました。

外国籍エンジニアが信仰している宗教に考慮することもありましたか?

バングラデシュのメンバーはイスラム教徒なので食べれない・飲めないものがあって、気軽にご飯や飲みに誘えないですね。

他に宗教儀式としてお祈りやラマダン(断食月)がありますが、弊社のエンジニアは時間をガチガチに縛っているわけではないので、お祈りの時間で少し抜けたりラマダンの時期に早上がりするのは問題なく、柔軟に対応しています。

自社サービスを活用し、日本語でも英語でも仕事ができる環境に

現在はテレワークで仕事されているのでしょうか?

外国籍メンバーも含めてテレワークでやっています。基本は日本にいるメンバー達ですが、本国に帰省している場合も向こうから日本の時間帯で仕事ができるのであれば問題ないです。今のところアジア圏のメンバーしかいないので、中国・韓国は問題ないですしバングラデシュも3時間の時差なので許容範囲でしょう。

オンラインでのコミュニケーションで気をつけていることはありますか?

テキストで伝える方が翻訳しやすいので、正確に細かい部分まで伝えたい時はテキストにしています。また、オンラインで会議をする時は、弊社の多言語翻訳ツールを使いながら進めることもあります。

弊社のツールを用いることで、会議中にマイクを通して伝えたことが自動で文字起こしされ、日本語の下には英語や中国など他言語で翻訳されたものが表示されます。


(岡野さんより画像提供)自社で開発する多言語翻訳ツール「Minutz」を社内でも活用

外国籍エンジニアを採用する際に基準などあるのでしょうか?

少なくとも日本語か英語で仕事ができることですね。スキル面は即戦力というのが難しい場合は、学習に意欲的で技術に触れてきているかどうかを見ています。

外国籍エンジニアはどういうキャリアのニーズを持っているのでしょうか?

そこまで明確に持っている人は少なく、そもそもどういうキャリアがあるのかを知らない場合が多いです。駆け出しのプログラマーから能力を磨いていけば、技術的に難易度の高いことに取り組めたり、日本語で書かれた要件や仕様を詳細まで理解できるようになればブリッジエンジニアの道もあります。そういった方向を一緒に考えて、育てています。

岡野さんご自身は、マネジメントをどのように学ばれたのでしょうか?

最初は小さい案件を人に頼らず自分一人で進めていきました。そこから1人の作業する人をマネジメントしながらになり、人数が3人4人と増えていく中で実際に案件を進めながら学んでいきました。外国籍エンジニアのマネジメントは今学んでいる真っ最中です。(笑)

最後に

今後の展望を教えてください!

弊社はObotAI多言語翻訳サービス、チャットボットサービス等の言語に関するサービスを展開していきます。そのために新たなスタッフを採用することを検討しています。

海外へ活躍の場を広げていきたい企業・エンジニアにメッセージをお願いします!

外部委託を一度も使ったことのない会社が、いきなりオフショア開発をやると大体失敗します。それは、フワッとした内容のまま外部に依頼してしまう会社が多いからです。まずは日本国内の外部委託を使ってみて、それからオフショアをやってみるのも悪くないかなと考えています。外部に仕事を依頼すると、出来上がったものを試験し、検収する必要があるので、依頼する前の要件定義・仕様の作成は手厚くしておくと良いと思います。


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海外で活躍しているCTOがメンターシップしながらラボ型のオフショア開発をします。

自社のエンジニアを海外でも活躍できるように育てます。

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