ツールを使い分け、詳細が伝わるまで伝え続ける【株式会社INDIGITAL 大久保 維人 氏】

大久保 維人 氏 | 株式会社INDIGITAL

筑波大学在学中から、フリーランスとして国内外のWebシステム開発を経験。幅広い分野におけるプロダクト開発、特に0->1フェーズでのヒアリングや要件定義を含めた新規開発案件を行う。プログラミングのメンター実績は100人超。シンガポールのハッカソン「Junction x Singapore Hackthon 2019」のセキュリティトラックでの受賞歴、サウジアラビアの世界最大のハッカソン「Haji Hackathon」へ参加しギネス記録保持者に。現在は、CTOとしてオンラインクロスボーダーをベースとした世界、人とつながりチームとなること。を目標に、インド人エンジニアと日本企業の橋渡しをするべくマネジメントから開発までを行っている。

はじめに、現在のお仕事について教えてください!

日本の現状の課題として、エンジニアさんが見つからなかったり採用が難しいというポイントがあると思うんですが、インドってエンジニアさんの数も、若い人材の数も、ものすごく多いので、私たちが上手く間に入ることでそういった力を活用して、日本のDXやシステム開発を加速していくことができるんじゃないかと思い、橋渡し役を担うために、日々、日本のお客さんの営業開拓や、システム開発、マネジメント、インド人エンジニアの採用活動などを行なっています。

高校時代からロボットコンテスト出場や不動産屋のHPの作成などに取り組む

インドに興味を持たれたきっかけはありますか?

私ではなくCEOの田中がインドの方で会計事務所をもう8年ほどやっておりまして、インド市場やインドの人材に対する知見や馴染みがあったんですね。そこの兼ね合いがありまして、彼がシステム開発を取り組んでみたいとなった時に私に声がかかり、私も海外のエンジニアさんと働くことに興味があったため、それがきっかけとなりましたね。

IT業界に興味を持たれたきっかけについて教えてください!

私は高校時代にロボットを作って大会に出る、ということをやっていて、それが一番最初の原体験だと思っています。大学に入ってからも学費を稼ぐためにはコンビニのアルバイトよりもシステム開発をする方が良いんじゃないかという動機でシステム開発を始めまして(笑)、地域の不動産屋のホームページを作ったりとかしていました。それがきっかけでエンジニアリングに興味を持ったという感じですね。その結果、自分がサクッとやった仕事が想像以上に人から喜ばれるんだなと感じたことも体験として大きく残っています。

元々海外にご興味があったんですか?

そうですね。学生時代から海外が好きでよく行っていまして、それがきっかけで海外のエンジニアさんと知り合うことも多かったのでそこで一緒にハッカソンや大会に出たりしていました。

曖昧なコミュニケーションはトラブルを招く。オンラインでのミーティングとチャットの上手な使い方

海外でエンジニアをマネジメントする上で気をつけることはありますか?

一番気をつけた方が良いポイントは「伝わるだろうと思っちゃダメ」だと思います。日本人とのコミュニケーションだとなんとなく伝えても仕事ができちゃうんですけど、それを曖昧にしてしまうと、例えばインドの皆さんは曖昧なまま仕事をしてしまうことがあります。すごく優秀な人だとこれどうすれば良いと聞いてくれるんですが、とはいえそうやって聞いてくれる人は少ないので、基本的にはここまで説明いるのかなというくらい細かく作業の内容などを話していくと円滑に進めることができると思います。チャットをして、ミーティングをしてSlackを送る、のようにするとちゃんと伝わっていますね。いろんなツールを使って細かくコミュニケーションを取ることが重要です。

言語面の問題がなくてもそういう問題は生じてしまうんでしょうか?

そうですね。やはりカルチャー的な問題もあるので、そこのすり合わせもいかに面倒くさがらずにやるかということも重要だと思います。

例えばシステム開発をしていて『この画面にOKのボタンを追加しておいて』と指示を出すと、ただただデザイン的にOKのマークがあるだけでシステム的には繋ぎ込めていないことがあったりしました。もし日本とかだったら同じ文章で指示を出しても伝えたいことが伝わるんですが、やはりインドなどの国ではちゃんと綺麗に細かくタスク化しないとミスコミュニケーションが起きてしまいますね。

そういった問題をどうやって改善されていますか?

コミュニケーションの量をとにかく増やすことですね。タスクや資料はそもそも大量に作っているんですが、とはいえオンラインなので「今クイックに話できない?」とミーティングをして、認識のズレがないか確認します。確認時、問題がないか聞き、問題ないという返答が返ってきたら、じゃあそのタスクどうやって進めるの?など、一段深掘った質問をしています。ただ分かった分かったと言うだけの人はその深掘った質問には答えることができないので、こうやって進めるんだという明確な回答が返ってきたらタスクを進めてもらうように工夫しています。

オンライン上でのコミュニケーションについて、チャットをする時とミーティングで話す時をどう使い分けていますか?

一長一短だとは思っていて、Slackなどを使ってメッセージを送ってもどうしても伝わらない部分があると思うのでそういった細かい部分のニュアンスを伝えるためにオンラインでミーティングをします。逆にオンラインのミーティングですとログがあまり残らないので、指示したことなどを明確に残すためにもチャット形式のツールを利用しています。

そのコミュニケーション方法に辿り着くまでの経緯や失敗談とかありますか?

最初のころSlackでのコミュニケーションをメインにしようと思っていたんですが、どんなにコミュニケーションをとってもどうしても伝わらない部分が発生して、でもそれをミーティングで話すと5分くらいで解決するんですよ。なのでその辺はうまく使い分けることが大切で、ざっくりした部分はSlackで、詳細の部分を伝えるのはミーティングで、という使い分けていくと良いかなと思います。

やっぱり日本人はすごく汲み取る能力が高いんですよ。だからそれが当たり前のように接してしまうとズレが出てしまうので、そうならないようにコミュニケーションをとることが重要ですね。

そのようなコミュニケーションを取られていると、どうしてもマイクロマネジメントになってしまうと思うんですが、インドの方々は不満に思われたりしないんでしょうか?

インドの皆さんって怒られることや指摘されることに対する耐性がすごく高いんですよ。なので例えば細かい部分で僕がこうやって思っていたんだけどどう?とかこの点はこうやって改善した方がいいよね。というコミュニケーションをすると彼らは理解してくれるし、元々頭が良いこともあり、色んな背景がちゃんと伝わるようになってくるんですよね。特に南インドの人たちは人の気持ちを分かってくれるというか、義理と人情が分かる人がすごく多いと思うので、最初はマイクロマネジメントになったとしても徐々に指摘している側の気持ちを汲み取ってくれるようになってくるので、そこまで辛抱していく感じです。

インドの方々はみんな素直!魅力的なカルチャーやエンジニア市場について

インド人のエンジニアの面白い特徴はありますか?

一つ明確に言えることはみんなとても素直なんです。このため、私たちが採用している優秀なエンジニアさんたちは、自分たちからここ絶対に問題になるから早く対処してくれということを彼ら自身からあげてくれるんですね。

ただ例えば一緒に働いていたベトナムの方などですと、僕たちがお願いしたことがなんとなく絶対だと思っていてそれを進めていくということが多かったんですが、インドの皆さんは僕が指示したことに対して理解しこれは問題になる、と思ったらすぐにレスポンスしてくれるんですよ。

そして問題が発生することは当たり前だと思っていて、だからみんなで集まって解決方法を考えようというカルチャーが元々あるので、問題が起きないように石橋を叩いていくという働き方ではないですね。そこはすごく好きなところです。

インドでのエンジニア市場の動向について教えてください!

インド市場のエンジニアさんの数はアメリカに続く2番目に多い国だという特徴があるのと、インド拠点の会社はすごく多いのでエンジニアさんを採用したいという大企業はやっぱり多いですね。

参照:【ヒューマンリソシア調査】 [独自推計]世界93カ国のIT技術者は約2,257万人 「2021版:データで見る世界のITエンジニアレポートvol.4」を発表

インドのエンジニアの方々と協業する日本企業も多いんでしょうか?

徐々に進んではいるんでしょうが、大規模にやっているかと言われますとまだ発展途上かなとは思いますね。

インドの方々と協業する上で特に壁になる部分って何がありますか?

インドって近くて遠い国なんだと思うんですよね。カルチャーとしてはなんとなく知っているけど仕事をしてマネジメントをするとなるとなんとなく違うというか。東南アジアの方が身近だという感じになってしまうと思うので、一番最初にインドに取り込もうという考え方を持つ人は少ないと思います。単純に距離的に遠いことやカルチャーが大きく違うということが要因ではあると思いますけどね。

海外での仕事は当たって砕けろ精神が必須!

マネジメントを学ばれたご経験はありますか?

基本的には無くて、全部当たって砕けろという感じなので。(笑)でももちろん本は読みました。本屋さんの端から端までマネジメントなどについての本を買って読んでいったりして学びましたが、5時間本を読む時間があれば、その時間で彼らと話した方が仲良くなれるとは思いました。

現在社内でマネジメントを教えられているんですか?

教えることは今はあまりできていないんですが、エンジニアのリードの方も採用しているので、日本でのマネジメント方法やプロジェクトの進め方などを共有していきたいなと考えています。

新人のPMにベテランのPMがつくようなメンターシステムについてどう思われますか?

そういうのは僕は結構好きですね。僕もプログラミングを教えるようなこともやっているので。もちろんそういったマネジメントのメンタープログラムに関しても機会があればやってみたいと思いますね。

海外で仕事をする上で大切なマインドセットはありますか?

海外で仕事をする時は当たって砕けろ精神は絶対に必要で、とにかく話せば何か解消できるので、細かい部分は気にしすぎないようにすることですかね。加えていうと、日本人は英語にすごく抵抗感があると思うんですが、インドの人たちは英語に対して笑うこととか絶対に無くて、こっちが伝えたいことを単語でいうと汲み取ってくれるし、彼らも色々な単語をぶつけてくれるんですね。なのでコミュニケーションとしてはすごくオープンですので、自分の殻を破ってとにかく英語で言いたいことをばーっと言えば良いと思います。彼らも英語が得意かと言われればそういうわけじゃないと思うんですが、俺らの英語は世界一だぜみたいな感覚でくるので。(笑)そういう彼らのオープンなマインドに影響を受けていくことが良いのかもしれないですね。

エンジニアの採用基準について、重視されているポイントとかありますか?

やっぱりカルチャーマッチが大切だと思います。それがマッチしていると彼らも働きやすいし、僕らもコミュニケーションが取りやすいので、すごく大事だと感じますね。

最後に

今後の展望を教えてください!

インドでエンジニアさんをたくさん採用したいと思っていて、まずは2、3年以内に100人規模にしたいです。その数のインド人のエンジニアマネジメントができれば一つの壁は超えられると思うので、まずはそれにチャレンジしたいですね。そこからはその土台にたった上でどんなことができるのかをその時未来のタイミングで考えたいですが、目の前ではマネジメントやプロジェクトの回し方の効率化なども目標にしたいと思っています。

海外へ活躍の場を広げていきたい企業・エンジニアにメッセージをお願いします!

思い切って飛び込んでみるとものすごく未来が広がるんですよ。海外の人たちと働くことが今後当たり前になってきますし、僕たちにご連絡いただくでも自分で飛び込んでみるでも良いと思いますので、その未来が広がることを祈っています。


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