マネジメントでは部下の人生プランまで一緒に考える【Prime Style Co., Ltd 滝田 秀樹 氏】

滝田 秀樹 氏 | Prime Style Co., Ltd

CAMPBELL UNIVERSITY 経営学エクステンションコース修了後、AT&Tに入社し、米国ベル研究所が保有する通信技術を日本国内メーカーへライセンシングを行う。大手企業向けデータベース提供会社であったSYBASE(現SAP)のマーケティング部門にてBusiness Intelligence事業責任者としてデータウエアハウス、意思決定システム構築事業に従事。その後、MICROSOFTにてOEMマネージャーとして、日本国内メーカーにIOTシステムのアライアンスを推進。
1999年 ベンチャーキャピタルであるサンブリッジグループのスタートアップに参画し、出資先IT系ベンチャーへのマーケティング&セールスコンサルティング支援を部門責任者として従事し、サンブリッジが出資するセールスフォースドッドコム日本支社の立ち上げ支援を行う。2004年 モバイル専門の広告配信会社(検索連動型広告/アドネットワークサービス事業)であるサーチテリア株式会社を起業し、代表取締役COOに就き、事業推進を実施、2011年 GMOアドパートナーズ株式会社に同社を売却、イグジットを経験する。2012年 投資事業を手がけるエイチツーホールディンス株式会社を設立、代表取締役として同社経営及び投資及び投資先ベンチャー企業への支援業務を行う。2017年 ベトナムでオフショア事業を行うPrime LaboにGeneral Manager職として就任し、同年親会社の株式会社プライムスタイルのCOOを兼務し、現在に至る。ベトナムホーチミンに移住し、成長著しいASEANに身を置き、ベトナムの若いエンジニアとAI、ブロックチェーンシステム開発等、IT事業に邁進しております。

現在のお仕事について教えてください!

今ベトナムのホーチミンにいましてメンバーが60名体制、4人が日本人、他が全員ベトナム人という構成になっています。基本的にはwebシステム作成とモバイルアプリ作成をしています。この二つが主力事業で、他にもAIの開発にも取り組んでいます。あとはブロックチェーンを使った、仮想通貨の開発もしています。先端技術系の取り組みですね。

マネジメントする時は【1 対 社員数】ではなく【1 対 1 × 社員数】と考える

コミュニケーション

現職に就かれるまでの背景をお伺いしたいです!

僕はIT業界に30年いるのですが、セールスとマーケティングがバックグラウンドなんです。外資系ベンダーに長くいたのでエンジニアと一緒にお客様へサービスを提供していくということをやっていたことと、もう一つは自分で会社を立ち上げてモバイルの検索連動型広告を世界で初めて作りました。そこでCOOとしてエンジニアチームをマネージするという経験をしたことから、エンジニアではないのに今マネジメントができているという状態です。

海外のエンジニアとやりとりする上での苦労されたことはありますか?

振り返るとあんまりないですね。僕はグローバルビジネスをやりたくてアメリカの大学に行っていたので基本的に外国人とのやりとりは慣れていました。でもやっぱり思うのはimportant is personといって国とか関係なしに一人一人と接するということをやっていくとそんなに問題は発生しないかなと感じます。

海外のエンジニアとやりとりする上で大切なことは何だと思いますか?

60人スタッフがいるとすると1対60と考えるのではなく、1対1が60あると考えるようにしています。(滝田さんの)ポジションが高いから僕から言われることってただでさえ上からなんですよね。だから各ポジションに降りてきて同じ言葉や考えていることを共有することでギャップをなくしています。でもそれをどうやってやっているかというとやっぱりコミュニケーションが一番大事なんですよね。

それを効率的にするために、例えば自分の席を社長室とかではなく受付に近いところに作って、毎日みんなが出社する度に挨拶をしています。すると相手も挨拶を返してくれるようになるんですが、たまに返ってくる返答が曇っていることがあります。そういうとき直属のマネージャーに彼の状況を聞いたりすると、家で奥さんとトラブルがあるとか仕事が今あまりないとかが判明したりします。なので、それにフィードバックしたり今どうなの?と聞いてみたりとか、そういうことを何度も繰り返していくと関係も少しずつ出来てきます。そういった積み重ねを結構労力かけてやっています。(笑)

人生プランまで一緒になって考えるマネジメント

マネジメント

仕事の話だけでなくプライベートのお話もされるということでどのくらいの距離感が適切だとお考えですか?

これはベトナム人の特性だと思うんですが、話す時の距離が近いんです。外資系で働いていた時はセクハラやモラハラはすごく厳しかったんですがベトナムではオープンすぎるほどです。(笑)

また、キャリアプランを一緒になって考えるということをやっています。人は、いずれこうなっていたいなという方向に行き着くものです。でも給料は現在できることで決まるので、次の目標と彼ら彼女らのギャップを比較することで、そのギャップを埋めるために仕事の練度を上げて、少しずつレベルの高い仕事をさせていきます。ただ、レベルの高い仕事もさじ加減の調整が必要で、負荷が大きくなりすぎると上手くいかなくなって落ち込んでやる気を削いでしまいます。なので、仕事のレベルの調整は丁寧に見ています。

人ってキャリアプランの先にライフプランがあって、それが上手くいくと人は幸せを感じるのでね。だから今現在のキャリアプランからその先のライフプランまでのプロットまでを一緒になって考えるマネジメントをコーチングスタイルでやっています。また、自分の部下もそれができるように教育しています。やはりその時に思うのは、技術力も人間力も高い人が昇進するなと感じますね。

日本人は見直しが得意!?

オフショア

何か印象に残るエピソードはありますか?

エピソード①
日本には見直し文化がありますよね。テストの後見直ししなさいと学校で嫌になる程先生に言われたと思います。だからものをやった時に、見直さないといけないというのが日本の教育ですごく徹底されているなと思うんですね。あとは日本人の気質もあると思うんですが。それがエンジニアの世界では水平展開影響調査というのがあり、自分で作ったコードを見直し、修正するものなんですね。そこでも日本の見直し文化はレベルが高いのでそこをベトナム人に植え付けるのに大分苦労しましたね。日本ではチェックシートになっていて、作ったエンジニアがテストする仕組みなんですが、ベトナムでは作っていない人がテストをすることもあり、たまに誤差が出たりします。

エピソード②
アジアは飲みにいく文化だと実感しました。(笑)信頼を勝ち取るためにはやっぱり最初飲んでコミュニケーションをとるということをしました。僕はベトナム来た当初よく誘ってもらって近くの居酒屋に行って本当によく飲みましたね。しかもベトナム人はすごく乾杯をしまくるんです。ちょっとつまんなさそうな人がいたらビールを持ってきて乾杯という風にね。(笑)最終的にはいつもベロベロになって送ってもらっていました。でもそれを繰り返していると(滝田さんは)今までのマネージャーとは違うな、と彼ら思ってくれて信頼が生まれるんですね。だから最初の方はそれを徹底的にやりました。

マネジメントはどう学ばれましたか?

結構独学でも勉強しましたし、他にも(アメリカにいた時の話に戻ると)元々アメリカは多民族国家なのでこれ当たり前だよね、がないんですよね。だからそれを作らないといけないんです。そのためにマニュアル化したりトレーニングをすごくやるんですね。そこで結構鍛えられたのもあります。

経営に関しては盛和塾という経営塾に複数年いて、そこで経営やマネジメントについて深く学びました。あと大事なのは、実践応用なので学んだことを実践していくということをしました。(塾のおかげで)考え方は大分変わりましたね。

最後に

海外進出

今後の展望を教えてください!

会社としてはクライアントのDXへの取り組み支援をしていて、そこに先端技術を組み合わせています。第一フェーズが受託開発でクライアントさんのシステムを国内で作り、第二フェーズがオフショア開発をベトナムで行ってきました。そして今はAIやブロックチェーン技術を用いてDXに取り組み、第三フェーズとして会社を更なる成長軌道に乗せているという状態です。

今後海外に進出したい企業・個人に向けて、メッセージをお願いします!

まずは視察してみてください。肌で感じて、色んな国を周った方がいいですね。そこで国民性を知ったり、あとは一番見ないといけないのは政治の安定です。例えばベトナムは政治が安定しているので、社会インフラが整っていたり警察の組織もちゃんと機能していたりとか。一方で企業が海外に来ても税制が突然変わったりすると、撤退しざるをえなくなってしまう。だから政治が機能していることは大事です。それを日常生活で見ると見えるので、現地の会社(例えばオフショア会社)を訪問して現場で一人一人と話したりインフラを見たりすると良いと思います。

何をするかによって選ぶ国は変わるので、例えば気になる国のオフショア会社に小規模な開発組織を持つ投資をしてみるとか、この国はちょっと治安が気になるけれど将来性を見て拠点を持とうとか、そういう風に経営者自らが視察して小さな投資から検証を始めてみるべきだと思いますね。


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